【短編】クールな幼なじみと紡ぐロマン
***
満足してお店を出て、また二人で街を歩く。
「この後はどうしよっか? さすがに帰るのは早いよね?」
出来ればもう少し一緒にいたいなって思って話すと、玲衣くんは「ああ」とちょっとかたい表情でうなずいた。
「ちょっと、莉緒を連れていきたいところがあるんだ」
いいか?って聞いて来る玲衣くんにいいよってうなずいたけれど、なんだか緊張している様子の玲衣くんを見ると不安になる。
その不安を聞いてもいいのかどうか迷っていたときだった。
「……莉緒ちゃん?」
「っ!」
久しぶりに聞く声に、私は息をのんで固まる。
そろそろと声の方を見ると、美乃梨ちゃんとそのお友達がいた。
「美乃梨ちゃん……」
「あ、本当に莉緒ちゃんだ。なーに? オシャレしちゃって。受賞のお祝いに彼氏とデート?」
「うっわ、パクったりするような子の作品の受賞なんてたまたまだっていうのにうかれちゃって、バカみたい」
私が美乃梨ちゃんたちに気づくと同時に彼女の友だちからいつもの嫌味が飛んでくる。
ううん、いつも以上に辛辣だ。
私をにらむ目には確実に敵意がこめられているから。
満足してお店を出て、また二人で街を歩く。
「この後はどうしよっか? さすがに帰るのは早いよね?」
出来ればもう少し一緒にいたいなって思って話すと、玲衣くんは「ああ」とちょっとかたい表情でうなずいた。
「ちょっと、莉緒を連れていきたいところがあるんだ」
いいか?って聞いて来る玲衣くんにいいよってうなずいたけれど、なんだか緊張している様子の玲衣くんを見ると不安になる。
その不安を聞いてもいいのかどうか迷っていたときだった。
「……莉緒ちゃん?」
「っ!」
久しぶりに聞く声に、私は息をのんで固まる。
そろそろと声の方を見ると、美乃梨ちゃんとそのお友達がいた。
「美乃梨ちゃん……」
「あ、本当に莉緒ちゃんだ。なーに? オシャレしちゃって。受賞のお祝いに彼氏とデート?」
「うっわ、パクったりするような子の作品の受賞なんてたまたまだっていうのにうかれちゃって、バカみたい」
私が美乃梨ちゃんたちに気づくと同時に彼女の友だちからいつもの嫌味が飛んでくる。
ううん、いつも以上に辛辣だ。
私をにらむ目には確実に敵意がこめられているから。