初めてを捧げたのは、人気俳優になった初恋の人でした
24 同居生活にハプニングはつきもの
「……く、久我くん」
目の前の扉を開いて出てきたのは、湊だった。
紫遥の姿を見て、驚き目を見開いているものの、整った彫刻のような顔はいつもと変わらない。
(確か久我くんの部屋は1階って言ってたはずなのに、なんでここにいるの?ていうか、こんな格好見られるなんて……!)
紫遥は混乱しつつも、誤ってバスタオルが落ちてしまわないようぐっと手で押さえた。
大事な部分は隠れているものの、こんな格好で出くわしてしまうなんて、恥ずかしくてたまらなかった。
「あの、着替え忘れちゃって……」
「……」
「す、すぐに部屋に戻るから!ごめん、こんな格好で……」
紫遥が気まずさでいてもたってもいられなくなり、真っ赤になった顔を下に向けながら、後退りしていると、ふわりと優しげな香りが鼻腔をくすぐった。
「そのままだと風邪ひきます」
湊はそう言って紫遥を抱きしめるように、自分が羽織っていたシャツを紫遥の肩にかけた。
シャツから湊の香りをより強く感じ、紫遥の心臓がより一層大きな音でなり始める。先ほどまで着ていた湊の体温が肩から伝わり、なんとも言えない安心感が身体を包み込んだ。
紫遥は湊のシャツをぎゅっと握りしめ、か細い声で言った。
「ありがとう……」
「……いえ、じゃあ俺今から仕事なんで」
湊はそう言うと、ふいと紫遥から視線を逸らし、そのまま階段を下って行った。
羞恥心で縮こまる紫遥とは違い、なんとも思っていないようだった。
(私だけ動揺しちゃってバカみたい……)
目の前の扉を開いて出てきたのは、湊だった。
紫遥の姿を見て、驚き目を見開いているものの、整った彫刻のような顔はいつもと変わらない。
(確か久我くんの部屋は1階って言ってたはずなのに、なんでここにいるの?ていうか、こんな格好見られるなんて……!)
紫遥は混乱しつつも、誤ってバスタオルが落ちてしまわないようぐっと手で押さえた。
大事な部分は隠れているものの、こんな格好で出くわしてしまうなんて、恥ずかしくてたまらなかった。
「あの、着替え忘れちゃって……」
「……」
「す、すぐに部屋に戻るから!ごめん、こんな格好で……」
紫遥が気まずさでいてもたってもいられなくなり、真っ赤になった顔を下に向けながら、後退りしていると、ふわりと優しげな香りが鼻腔をくすぐった。
「そのままだと風邪ひきます」
湊はそう言って紫遥を抱きしめるように、自分が羽織っていたシャツを紫遥の肩にかけた。
シャツから湊の香りをより強く感じ、紫遥の心臓がより一層大きな音でなり始める。先ほどまで着ていた湊の体温が肩から伝わり、なんとも言えない安心感が身体を包み込んだ。
紫遥は湊のシャツをぎゅっと握りしめ、か細い声で言った。
「ありがとう……」
「……いえ、じゃあ俺今から仕事なんで」
湊はそう言うと、ふいと紫遥から視線を逸らし、そのまま階段を下って行った。
羞恥心で縮こまる紫遥とは違い、なんとも思っていないようだった。
(私だけ動揺しちゃってバカみたい……)