初めてを捧げたのは、人気俳優になった初恋の人でした
9 面倒な職場
翌日、紫遥が出社すると、今まで仕事以外の会話をほとんどしたことがない、女性社員数名に囲まれた。
「ねえ、昨日来てたのって仮屋さんの彼氏?」
「え?」
一瞬、湊のことを言われたのかと思ってドキッとしたが、ロビーに来ていた町田のことを言っていると気付き、ホッとして答えた。
「彼氏じゃないです、ただの知り合いで……」
「そうなの?けど、あの人が来てから、突然午後休取ったじゃない?」
「まさかあの真面目な仮屋さんが、会社サボってイケメンとデート!?って、昨日大騒ぎだったんだからあ」
確かに町田は湊ほどではないにしても、一般人の中ではなかなか整った顔立ちであることは、他人の外見にあまり興味がない紫遥でもなんとなくわかっていた。
だが、普段話しかけてこないような女性社員たちが、こうして紫遥に群がり、騒ぐほど町田は目立つのだろうか。それとも、自分が気付いていないだけで、彼は女性を魅了するような特別なオーラがあるのかもしれない。
「けど、彼氏じゃなくて、ただの知り合いなのよね?」
「はい、そうです。午後休んだのは、ちょっと体調が悪くなっただけで、あの人は関係ありません」
紫遥がはっきりとした口調でそう断言すると、女性社員の一人、安藤香奈子が嬉しそうに手を合わせて言った。
「じゃあ、彼のこと紹介してくれない?ちょうど合コン開きたいなーって思ってたの!」
「ねえ、昨日来てたのって仮屋さんの彼氏?」
「え?」
一瞬、湊のことを言われたのかと思ってドキッとしたが、ロビーに来ていた町田のことを言っていると気付き、ホッとして答えた。
「彼氏じゃないです、ただの知り合いで……」
「そうなの?けど、あの人が来てから、突然午後休取ったじゃない?」
「まさかあの真面目な仮屋さんが、会社サボってイケメンとデート!?って、昨日大騒ぎだったんだからあ」
確かに町田は湊ほどではないにしても、一般人の中ではなかなか整った顔立ちであることは、他人の外見にあまり興味がない紫遥でもなんとなくわかっていた。
だが、普段話しかけてこないような女性社員たちが、こうして紫遥に群がり、騒ぐほど町田は目立つのだろうか。それとも、自分が気付いていないだけで、彼は女性を魅了するような特別なオーラがあるのかもしれない。
「けど、彼氏じゃなくて、ただの知り合いなのよね?」
「はい、そうです。午後休んだのは、ちょっと体調が悪くなっただけで、あの人は関係ありません」
紫遥がはっきりとした口調でそう断言すると、女性社員の一人、安藤香奈子が嬉しそうに手を合わせて言った。
「じゃあ、彼のこと紹介してくれない?ちょうど合コン開きたいなーって思ってたの!」