初めてを捧げたのは、人気俳優になった初恋の人でした
翌日の朝六時、紫遥が目を覚まし、一階に降りると、湊は既に家から出たあとだった。
居候の身だし、冷蔵庫にあるもので朝ごはんくらい用意してあげようと早起きしたが、湊の仕事は思った以上に早い時間帯からスタートするらしい。
湊には冷蔵庫のものは勝手に使っていいと言われているし、とりあえず真夏が食べるものを用意しようと、キッチンに入った。
小学生の頃から母親が家におらず、昔から食事の用意は自分一人でしていた。スーパーでお惣菜を買えるくらいのお金は置いていってくれたので基本的に食べることには困らなかったが、真夏が家に来てからは、健康状態に気遣い、毎日自炊をするようになった。
大きな冷蔵庫を開き、中に何があるのかを確認する。
新鮮な野菜に果物、鶏のささみに卵とブロッコリー。いかにも身体を資本にしている俳優なだけあって、ヘルシーな食材が揃っていた。
とりあえず卵とブロッコリーを茹で、マヨネーズで和え、最後にミニトマトを添えてサラダを作り、溶かした卵をフライパンで炒め、ケチャップとマヨネーズを加える。そして、塩コショウで味を整え、オーロラスクランブルエッグを作った。
あとはパンがあれば完璧なんだけど……とキッチンを見渡すが、基本的にこの家に米やパンは存在しないようだった。
仕方ない、糖分はフルーツでとろうか、と冷蔵庫から取り出したりんごを切っていると、2階から真夏が降りてきた。
「おはよう……あれ、湊さんは?」
「早い時間から仕事だったみたい」
真夏は昨日ですっかり湊と打ち解け、いつの間にか「湊さん」だなんて、下の名前で呼んでいる。
下の名前で呼びたいというわけではないが、昔からの知人である自分ですら「久我くん」呼びであるのに、すっかり距離を縮めている真夏を見て、子供の無遠慮さを羨ましく思った。
居候の身だし、冷蔵庫にあるもので朝ごはんくらい用意してあげようと早起きしたが、湊の仕事は思った以上に早い時間帯からスタートするらしい。
湊には冷蔵庫のものは勝手に使っていいと言われているし、とりあえず真夏が食べるものを用意しようと、キッチンに入った。
小学生の頃から母親が家におらず、昔から食事の用意は自分一人でしていた。スーパーでお惣菜を買えるくらいのお金は置いていってくれたので基本的に食べることには困らなかったが、真夏が家に来てからは、健康状態に気遣い、毎日自炊をするようになった。
大きな冷蔵庫を開き、中に何があるのかを確認する。
新鮮な野菜に果物、鶏のささみに卵とブロッコリー。いかにも身体を資本にしている俳優なだけあって、ヘルシーな食材が揃っていた。
とりあえず卵とブロッコリーを茹で、マヨネーズで和え、最後にミニトマトを添えてサラダを作り、溶かした卵をフライパンで炒め、ケチャップとマヨネーズを加える。そして、塩コショウで味を整え、オーロラスクランブルエッグを作った。
あとはパンがあれば完璧なんだけど……とキッチンを見渡すが、基本的にこの家に米やパンは存在しないようだった。
仕方ない、糖分はフルーツでとろうか、と冷蔵庫から取り出したりんごを切っていると、2階から真夏が降りてきた。
「おはよう……あれ、湊さんは?」
「早い時間から仕事だったみたい」
真夏は昨日ですっかり湊と打ち解け、いつの間にか「湊さん」だなんて、下の名前で呼んでいる。
下の名前で呼びたいというわけではないが、昔からの知人である自分ですら「久我くん」呼びであるのに、すっかり距離を縮めている真夏を見て、子供の無遠慮さを羨ましく思った。