近寄りがたいキミの愛にリトライします!
もう、志望校なんてどうでもいい。
もう、私の人生なんてどうでもいい。
八島くんがいない世界なんてどうでもいい。
「由真、いい加減学校行きなさい! クラスの子が亡くなって悲しいのは分かるけど、もう一ヵ月も休んでるじゃないの! 学校行きなさい!」
お母さんから部屋のドアをどんどん叩かれて怒鳴られるが、私は一向に布団に蹲っていた。
「あんたが学校行かなきゃ誰が由衣に勉強教えるのよ!」
うるさい、うるさい、うるさい!
「本当は南高に行きたかったよ! 八島くんと一緒に行きたかったよ! お母さんが南高に行っていいって言ってくれたら……由衣のことを任せなかったらこんなことにならなかった!」
どうしようもない苛立ちをお母さんと由衣のせいにしてしまっている。
私は今言ってはいけないことを言ってしまっている。
悔しさで胸が押しつぶされそうになる。八島くんに「私も八島くんと一緒に南高に行きたい」と、「八島くんのことが好き」と言えていたら、この心残りは全然違うものになったのだろうか。
神様お願いです。
八島くんがいた時間に、
八島くんが事故に遭う前の、図書室からの時間に、
戻してください……
そう強く願いながら、意識が遠のいていった。