近寄りがたいキミの愛にリトライします!
確か私はこの質問の後に南高は行かないと伝えた。八島くんを絶望させる言葉を言わせるキッカケを作ってしまった。
もうあんな後悔は二度としたくない。
――八島くんが好きだから。
だから、答えを間違えるな。
「私も八島くんと一緒の高校に行きたい。そのために勉強頑張ってきた…………八島くんが好きだから」
あのとき言えなかった言葉を全部言いたいと欲が出てしまい、言わなくてもいいことまで言ってしまった。
八島くんに視線を向けると時が止まったような顔をしている。そして私に、
「…………好きって?」
と、質問をした。
質問を返されると急に恥ずかしくなり慌てて言葉を濁す。
「へ、返事はいらない! 伝えたかっただけだから!!」
八島くんは顔を赤くしながら「そっか」と呟いた。
「…………じゃあ、受験終わったら返事したい。それでいい?」
「――う、うん!」
受験が終わったら……
それまで八島くんは生きているよね? と、不安になった。
今日の事故がもし免れても、違う日に事故して命を落としたらどうしよう。
悪い方にばかり考えてしまう。