近寄りがたいキミの愛にリトライします!
「鎌田さん、本当に家に送らなくて大丈夫?」
「うん、大丈夫。気をつけて帰ってね! 特に横断歩道!」
「分かった、気を付ける。鎌田さんもね。話し合ってどうだったか……明日教えてくれる?」
「うん。教える。だから、ちゃんと学校に来てね!」
今日親を説得して、明日八島くんと会う。
絶対に会う。
一ヵ月前とは違う夜を過ごそうとしている。
家に着き、お母さんから「いつもいつも遅く帰ってきて! 毎晩毎晩どこをほっつき歩いてるの」と怒られる。確か、一か月前にもこういうことを言われて怒られた。
そして私はお母さんに「ごめん、今から由衣の勉強教えるから」と言った記憶がある。
手に拳を握り覚悟を決める。
「学校の図書室で勉強してた。お母さん、今から話があるんだけど、ちょっといいかな」
「なによ、お母さん忙しいのよ。まだ晩御飯作ってる途中なのよ」
「じゃあ、作りながらでいいから話を聞いてほしい」