近寄りがたいキミの愛にリトライします!
キッチンに向かい、イスに座る。晩御飯を作ってくれているお母さんに後ろから口を開く。
「お母さん、私、南高に行く」
「ダメ」
「もう由衣の勉強は見きれない」
「由衣にはアンタしかいないのよ」
「だから、そんな風に縛らないでってば!」
説得しなきゃ、分かってはいるけれど、頑ななお母さんをどうしたら良いのか分からなくて手が震える。
どうしても反抗的になってしまう。説得したいのに、私の気持ちがお母さんに伝わらない。
「私は由衣の保護者なんかじゃない。死ぬまで一生一緒にいるわけでもないし、私には私の人生がある。なんで分かってくれないの!?」
感情的になりながらもそう伝えると、お母さんは「いい加減にして!」と怒鳴り声を出した。
「だいたいあんたは高校一つで人生がどうのこうのって大袈裟すぎるのよ!」