近寄りがたいキミの愛にリトライします!


「学費が高い高校じゃないんだからいいじゃん! 何で分かってくれないの!?」


 言い争いをしていると、由衣が二階から降りてきた。


 何も知らない由依は「お腹すいたー」と言って、お母さんに今日の晩御飯は何なのかを聞いている。


 由衣に聞かれたくないのだろうお母さんは、私に向かって「由真、もうこの話は終わりだからね!」と念を押してきた。


 ふざけないでよ! 私は由衣の家庭教師なんかじゃない。


 今日はっきりさせたい私は、いつもだったらここで話を終わりにしていたけれど今日はとことん割って入る。


「由衣、私、もう由衣の勉強見きれない。私も受験生なんだし、そんな余裕ない」


 冷蔵庫からオレンジジュースを取り出してコップに注いでいる由衣にそう告げる。由衣は興味がない素振りを見せながら私に視線を向けた。


「余裕って、由真も私と同じ高校に行くんでしょ。そんな頑張らなくても由真の成績なら余裕じゃん」

「ーー余裕じゃないよ! 私、南高に行くんだもん。由衣とは同じ高校には行かないよ!」


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