近寄りがたいキミの愛にリトライします!
恐らく学校からお母さんに連絡があったのだろう。案の定、私のスマホにはお母さんからの着信の山が届いていた。けれど、掛け直したりはしない。
スマホの画面を見ながら八島くん宛のLINEを開く。
連絡を取りたい。
けれど、もし八島くんがこの前と同じような状態だったら……そう思うとやっぱり連絡なんできなくて、メッセージを送ることなく画面をそっと閉じた。
今、目の前に流れている川に飛び込んだら、私は死んでしまうだろうか。
八島くんと同じ高校に行くって言ったクセに、自分の根性の甘さを思い知る。
八島くん、私、どうしたらいいのか分からないよ……
ぎゅっと目を瞑り悩んでいると、「鎌田!」と私の名前を呼ぶその声で目を覚ました。
いつの間にか眠ってしまっていたことに気がついた。そして目の前には八島くんがホッとした顔で私を見つめていた。
「よかった、鎌田。何かあったのかと思った……」
八島くんは泣きそうな顔をして私を抱き寄せた。
生きていた。
八島くんは、生きていてくれた。