近寄りがたいキミの愛にリトライします!
私は感謝されるようなことはしていない。
「一度じゃなく二度までも……私は八島くんを殺してしまうところだった……八島くん、ごめんなさい」
そう謝ると、八島くんは私の頬をむにゅっと指で掴んだ。
「なんで鎌田が謝るの! 悪いのはフラフラって危ない運転している運転手だろ。鎌田は悪くない!」
「でも、私……八島くんにあんな強気なこと言っておいて……昨日親を説得できなかったから……南高ダメって言われちゃったから……」
「言われちゃったから……、何?」
「だから結局、南高行けそうにないかもしれない……八島くんと一緒に行きたかったのに……ごめんね」
この世の終わりのようテンション感で呟くと、八島くんはまた私を抱きしめた。
「鎌田は俺のこと……どう思ってるの?」
「八島くんのことは大好きだし、大切だよ……」
「じゃあさ、もっと俺を頼ってよ。諦めたりなんてしないでよ。俺、今まで他人は他人、自分は自分って考えで、自分以外に興味なかったんだけどさ、でも、鎌田はそうじゃないから。ちゃんと大切に思ってるから」
八島くんは今にも擦れそうな声でそう呟いた。