近寄りがたいキミの愛にリトライします!



 『大切に思ってる』その言葉にまた、涙を流した。


「鎌田が頑張ってるように俺も、今日から少しずつ頑張り始めたから」

 そう告げられ、何のことか聞き返す。

「……なにを?」

「クラスメイトに挨拶をね。頑張ってみたんだけど、鎌田いないからさ。頑張ってるところ見てほしかったんだけどな……」


 へへっと恥ずかしそうに笑う八島くんがとてつもなく眩しかった。私も見たかった。八島くんがクラスメイトに挨拶をしているところ、見たかった。


「……八島くん、何で急に?」

「だって鎌田も頑張ってるから。俺、今のままじゃ鎌田につり合わないし、ほら、その……人間的に鎌田とつり合っていたいしさ、だから頑張ってんの。俺も鎌田を頼るから……だから鎌田も俺を頼ってよ。勝手に諦めたりなんてしないでよ」


 八島くの優しさに、引っ込んでいた涙がまた溢れてきた。


「うん……」

「双子の妹だってさ、鎌田だから甘えてる節があると思う。鎌田は自分のことだけ考えてればいいから」


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