近寄りがたいキミの愛にリトライします!
八島くんの想いが嬉しくて、感謝してもしきれない。
再度「ありがとう」とお礼を口にすると、八島くんは「いいから」と微笑んだ。
八島くんは私とつり合うようにとか言っていたけど、私の方が八島くんとつり合っていない。
『俺、鎌田さんのことが好きなんだ』と、以前言ってくれた。こんなに良い人が私のことを好きだなんて……あの時八島くんが言ってくれたことは本当のことなんだろうか。
今もまだ、私のことを好きでいてくれているだろうか。
「八島くん、そういえば学校はどうしたの?」
私の問いに八島くんは「あー」と苦い笑いをしてみせた。
まるで私の方が不味いことを聞いてしまったかのような、そんな目を私に向けてきた。
「……お腹痛いって言って、途中で早退してきた」
「えっ!? 八島くん、お腹痛いの!? 大丈夫?」
焦りながら八島くんのお腹に手を当てる私に向かって「そうじゃなくて」と遮った。
「鎌田が心配だったから、学校抜けてきた。内緒ね」
「まあ、誰も俺のことなんて気にしてないだろうし、いいけどね」と、初めて悪いことをしましたと言わんばかりの笑みで私を見る八島くん。