近寄りがたいキミの愛にリトライします!


 私は八島くんに迷惑をかけすぎている。

「鎌田、もしよかったら今から俺の家こない?」

「え……、家?」

「うん、姉ちゃん多分、もう大学から帰ってきてると思うから。ほら、善は急げって言うし。鎌田もこのまま家帰ったとしても親から怒られるだけじゃん?」

「……う、うん」

「じゃあ、一人でも多く鎌田の味方についてた方がいいだろ」

「でも……、八島くんまで私の家に一緒に帰ったら、うちの親に怒られちゃうよ……」

「そのために俺がいるんじゃん? はいー、もう余計なことは考えない! 後は全部俺に任せろ!」


 立った立ったと、私の腕を掴み引っ張り上げる八島くん。


 そのまま八島くんの家へと帰宅した。新しく建ててまだ日が浅いと言っていただけに家は大きく、とても綺麗だった。中へ入ると、八島くんのお姉さんと思われる美女が玄関まで来てくれた。サラサラの黒髪に縁がピンク色の眼鏡がとても良く似合っている。どことなく、二重の目の感じや目鼻立ちがハッキリしているところとかも八島くんに似ている。


 八島くんの家は美男美女だった。きっと、ご両親もとても容姿がいいのだろう。


「あら? 真人、学校もう終わり? って、誰? 彼女?」

「彼女じゃない、クラスの子。ちょっと姉ちゃんにお願いがあって連れてきた」


 八島くんが「姉ちゃん」と呼んだことから、やはりこの人が八島くんのお姉さんだということが分かった。


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