近寄りがたいキミの愛にリトライします!
「明日は行けるの?」
「はい……」
「なんかあったら真人に相談できる?」
「はい、できます」
頷くとお姉さんは「良かった」と、頷いた。隣りにいた八島くんがお姉さんに、
「責めないで!」と心配してくれているが、お姉さんは「心配してるんでしょうが!」と、八島くんに怒りを向けた。
――言わなきゃ、聞いてもらわなきゃ。
だってお姉さんは、会ったばかりの私をこんなに心配してくれている。
息を吸い覚悟を決める。
「私、八島くんと一緒の志望校に行きたいんです」
私が口を開くとお姉さんはモンブランを食べる手を止め、「ほぉ」と、相槌を打ちながら真剣な表情を私に向けた。
「けれどお母さん、分かってくれなくて。私には双子の妹がいるんですけど、一緒の高校に行って勉強見てあげてって言われていて。何度話しても分かってくれなくて……」
「妹が受ける高校はどこ?」
「南高より二つほどレベルが下の高校です……」
「南高って進学校だし、頭良いけど、由真ちゃんは受かりそうなレベルなの?」