近寄りがたいキミの愛にリトライします!


「どころで、由真ちゃん。お父さんはいるのかな?」

「父は……単身赴任で、なかなか帰ってこなくて。帰ってきても母の言いなりなので」

「そっか。こういうのはお父さんからお母さんに言ってもらう方がいいなって思ったんだけど、そういう状況ならしょうがないよね。それなら私が一肌脱いでまずは由衣ちゃんの由真ちゃん依存症をなんとかしないとね!」


 ガッツポーズをするお姉さん。
 八島くんは「任せて」と言ってくれたけど、第三者どころか赤の他人を巻き込んでしまっている時点で酷くいたたまれない気持ちになる。


「あの……お姉さんが言ってくれた通り、やっぱり父にもう一度相談してみます……」

「『もう一度』ってことは、一度は相談したけど何も変わらなかったってことでしょ? 基本的に家にいないんなら、何回相談してもなかなか変えれないと思うよ」

「で、でも……お姉さんも学校あるし、忙しいだろうし、申し訳なくて……」

「申し訳ないなんて思わないで。だって、真人がクラスメイトといえど、家に連れてくるなんて初めてだし、この子から友達の名前って一切聞いたことなかったし、聞いても関心なさそうだったから。正直なところ由真ちゃんが来てくれて嬉しいの! だから、これからも真人と仲良くしてあげてね」

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