近寄りがたいキミの愛にリトライします!
仲良くしてもらってるのはこっちだ。
「私の方が八島くん……いえ、真人くんに良くしてもらってるので」
そう伝えると八島くんは食べていたチョコケーキにウォークを刺し、そんなんじゃない!と叫んだ。
「仲良くしてあげてるとか、そういうんじゃない。だって鎌田は俺の……」
言いかけてすぐに口を閉じる八島くん。お姉さんはすかさず「俺の?」とニヤニヤしながらツッコんでいた。
「というか、真人、あんた今度から由真ちゃんのこと名前で呼びなさいよ。双子がいるのに紛らわしいでしょうが! で、由真ちゃんも真人のことは『八島くん』じゃなくて『真人くん』分かった?」
「私も一応八島なんだから、名前じゃなかったら紛らわしいのよー」と言われ、確かにそうだなと納得した。
「ま、真人くん……」
試しに呼んでみると、真人くんは顔を真っ赤にし、私のことも「由真……」と呼んでくれた。
「あー、あっついあっついー、お熱いことでー! じゃあ、そろそろ由真ちゃんの家に行ってみようか。お母さんと由衣ちゃんに挨拶しなきゃだしね! あ、真人アンタは家で勉強すんのよ! 仮にも受験生なんだし、高校受かったとしても、そんなんじゃ医大落ちるわよー?」
お姉さんの言葉に、持っていたフォークを落とした。
「医大!? 真人くん、お医者さん……?」