近寄りがたいキミの愛にリトライします!
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家に着く頃には既に辺りは暗くなり始めていた。
お姉さんを連れて家の中へ入る。
私が学校へサボっていたためご立腹のお母さんが私の前に現れる。そして、お姉さんの顔を見ては強く睨んだ。
「あなたは……?」
「K大学に通ってまして、由真ちゃんと同じクラスにうちの弟がいます、八島ふみと言います」
今、お姉さんの本名を知ることができた。
お母さんは更にお姉さんを睨みつけ、「うちの子を届けてくれたんですか?」と質問をした。到底感謝している風には感じられず、こんなお姉さんを睨みつけるお母さんを睨み返してしまった。
お母さんは私の態度にカチンときたらしく、「睨みたいのはこっちよ! あんた学校サボって何やってんのよ!」と怒りをぶつけてきた。そんな私たちの間を宥めるように「まあ、落ち着いてください。由真ちゃんのことでお話をさせてもらってもいいですか?」と、お姉さんがにこやかに仲裁に入る。
半ば強引に家の中に上がり込んだお姉さんは、「こちらでお話させてください」と、家の中を見渡しリビングへと向かった。
そんなお姉さんの後を追うように、私もリビングの中へと入る。