近寄りがたいキミの愛にリトライします!
「お姉さん、こちらに座ってください」
お姉さんをリビングのイスへと座らせ、私もお姉さんの隣へと腰かけた。
お母さんはそんな私とお姉さんに怒りに満ちた視線を送っている。そんな母の視線なんてお構いなしといった感じでお姉さんは私のことを語り始めた。
「由真ちゃん、悩んでましたよ。今後のこと。行きたい高校に行けないって」
「……由真と同じクラスの子のお姉さんだかなんだか知らないけど、あなたには関係ないでしょう?」
お母さんのその言葉にお姉さんは怯まない。
「由真ちゃんが私に話してくれたので、関係なくはないですよね? 由真ちゃん、進学校で有名なあの南高に行きたがってます。ちなみに医者志望のウチの弟も由真ちゃんと一緒の高校に行く予定です。由真ちゃん、凄いじゃないですか。なんで『頑張って』って背中を押してあげないんですか?」
……お姉さん。
「双子の妹さんの勉強ができないことも由真ちゃんから聞きました。妹に教えなきゃいけないということも、それを親から強いられていることも。お母さんの価値観を由真ちゃんに押し付けないでもらえますか?」