近寄りがたいキミの愛にリトライします!
4.消えないモヤモヤ


 お姉さんはそんなお母さんに「はい」とにこやかに返事をした。

 お母さんは「よろしくお願いします」とお姉さんに頭を下げている。初めてお母さんが私を一人の人間として認めてくれたような気がする。





「真人くんとお姉さんのおかげでお母さん分かってくれたの。本当にありがとう」

 翌日学校で真人くんにそうお礼を伝えると、真人くんは「よかった」と微笑んだ。

 お母さんから由衣のことで色々言われることもなくなったし、志望校も私の好きなところへ言っていいといってくれるようになった。お姉さんには感謝しても感謝しきれない。

 由衣は学校では私の隣のクラスで、普段私のクラスにくることはないけれど今日は「由真ー」と、猫なで声で私のクラスへやってきた。

「由衣、どうしたの?」

「いや、ほら、八島くんのお姉さんがこれから教えてくれるし……だから、八島くんにもお礼言いたいなって。八島くんいる?」

 ひょこっと顔を覗かせて由衣はクラスを見渡した。

 真人くんを探しているんだろう。

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