近寄りがたいキミの愛にリトライします!


 そう確信すると、由衣の真人くんに対する行動が目に余るようになった。

 自分から由衣に「真人くんが好きなの?」なんて聞けば由衣は「協力して」と言ってくる。それが怖くて私は由衣に真人くんのことを確認できずにいた。そんなことがありつつも時間は過ぎていき、夏休みに突入し、夏休みが終わると文化祭があり、冬休みがありと、学校の行事やイベントが終わっていく。

 私は真人くんと直接、以前のように図書室で勉強することは控えていた。

 由衣は全然喋っていなかったころと比べて、真人くんととても話すようになっていた。真人くんももしかして私ではなく、由衣に惹かれてしまったかもしれない。気を抜くとこういうことばかり考えてしまう。そんな中、受験が明日という時期になってしまった私宛に真人くんから連絡があった。

 内容は、【今から少しだけ会えない?】というものだった。

 夕方五時。私はすぐに返事をしお母さんに少しだけ出ることを伝えて家を出た。

 待ち合わせ場所の公園に着き、辺りを見渡して真人くんが来ているかどうかを確認する。

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