近寄りがたいキミの愛にリトライします!



「…………うん」

「私、ずっと前から八島くんのことが好きだったの」

「…………うん」

「知ってたでしょ? 知ってて私から八島くんを奪ったんでしょ? 八島くんと一緒の高校に行くとか言い出してさ。なに、つり合いもしないヤツが一生懸命頑張っちゃってんの」

「奪ったとかじゃない。私も真人くんが好きだから……だから、自分の気持ちに正直になっただけ」


 そう呟くと、「今上手くいったとしても、どうせ上手くいかなくなるんだから。現実見なよ」と笑われた。


「八島くんにつりあうのは頭が良くて顔も美人で、非の打ち所がない人だよ。そういう人しかつりあわないし、そういう人しか私は認めない」


 『そういう人しか認めない』


 以前の我が強い母を見ているようで、やっぱり由衣はお母さん似だなと、そんなことをぼんやりと思ってしまった。


 そして、私も一歩間違えていたらお母さんや由衣のようになっていたかもしれないと思うと、甘やかされなくて良かったなとも思えた。


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