近寄りがたいキミの愛にリトライします!
「由衣、もう少し相手の気持ちを考えて喋った方が良い。じゃないと、由衣の周りから人が離れていくと思う。私はもう由衣の側にいてあげれないし、もう少しちゃんとして」
そう言うと由衣は顔を真っ赤にして「由真から助けてもらったことなんて一度もない!」と言って私の元から離れて自室に行ってしまった。
翌日、真人くんが貸してくれたマフラーを巻いて、受験票を持って、鞄を開け忘れ物がないかの確認をし家を出る。
「頑張ってね。由真、今までごめんね」
と謝る母に背中を押され私は家を出た。
あんなに由衣のことしか考えられなかった母は、随分変わったと思う。これも真人くんのお姉さんが何度も家庭教師で家へ足を運んでくれて、母と何度も話してくれたからだろう。
受験が終わったら改めてお礼を言いたい。
南高に着き試験が始まった。今まで努力してきた勉強の成果を発揮できたような気がする。面接も終え、二日間に渡った高校入試は無事に終了した。
そして、今日真人くんとの約束した公園へ、真人くんが私に対して出すであろう返事を聞きに向かう。