近寄りがたいキミの愛にリトライします!
だから、八島くんには私の分まで南高に行って頑張ってほしかった。私の希望を八島くんに背負わせていたような気がする。
季節は七月。期末テストの時期に差し掛かっていた。周りも以前の中間テストのような余裕がある感じではなくなり、部活も引退しているせいもあってか、一気に受験モードという感じでピリついてきたように感じる。
そんな中、テストが近いということもありまた私は放課後、図書室通いとなった。
いつもの席にいつものように座り、勉強をしていると、私の隣に誰かが腰かけた。隣を見ると八島くんで「ここ、いい?」と、小声で聞いてきた。なので、私も「ど、どうぞ」と小声で返す。
なんの科目を勉強しているのかなと思い横目でチラッと視線を移すと、数学をしていた。ひたすら問題を解いている。やっぱり八島くんは私と頭の出来が違う。難問もスラスラと解いていく。そんな八島くんに負けじと私も勉強を頑張った。そして、またしても校舎が閉まるギリギリまで図書室に居座っていた私達。
先生から帰るように急かされイスから立ち上がり八島くんと一緒に校舎を出る。五月と比べて、一気に夏になってしまったように感じる。二か月足らずでこうも気温は変わってしまうのかと思っていると、
「鎌田さんは、志望校……どうなった?」
八島くんがふと、問いかけた。