近寄りがたいキミの愛にリトライします!
「私は……やっぱり南高は無理そう。親がダメって言ってるし、双子の妹の由衣と同じ高校に行って勉強教えたりしなきゃいけないから……」
「でも、本当は南高行きたいんじゃない? 親や妹の為に自分の進路をないがしろにしなくていいと思う。俺も一緒に行って親を説得しようか? 志望校変えるのだって、今なら全然間に合うし」
「……いや、大丈夫」
「大丈夫じゃないって。鎌田さん、今だって悔しそうな顔してるし、勉強頑張ってんじゃん」
ーーもうやめてよ。分かったようなことを言わないでよ。
自分の考えを私におしつけないでよ……
「行きたかったよ、私だって南高行きたかった。でも、どうしても無理なこともあるの……!」
ーー私だって八島くんと一緒に南高に行きたかった。高校でも一緒に勉強したり、一緒に帰ったりしたかった。もっともっと八島くんのことを知りたい。
八島くんと話すようになって数か月程度しか経っていないけど、八島くんは私にとって既に必要な存在となっていて、教室でも八島くんが気になって目で追ってしまう。
ーー私は八島くんが好きになってしまっていた。