【完結】やりたいこと、やりましょ!~肉食女子と肉食年下男子の恋愛事情~

 そして、いつも以上に優しい新の手。 
 優しい口づけが実花を包む、時間。

「実花……そろそろ挿れたい」

「……うん……いいよ」

 いつもはズンとすぐに奥まで突いてくるのに、今日は猛りの感触を感じさせるようにゆっくりと入ってくる。

「あっ新」

 気持ちいいとは言うが、好きなんて言わない関係だった。
 そのまま、新は実花にキスをした。
 はぁ……と切ない色気のある新の表情。
 一瞬見とれて心臓が高鳴る。

「実花……好きだ」

「……えっ……?」

 快楽から引き戻される言葉。

「好きだよ」

「な、やめてよっこんな時に!」

「こんな時だから言うんだろう! 本当っお前は……!」

「な、なによぉ」

 実花は何故か泣きそうになるのを堪える。

「ヤリチン! そんなのあの女に言えよっ!」

 逃げようとする実花を、新はがっちりと抱き締める。

「だからさ! 実花とセックスしてたら愛しくなって、好きになっちゃったんだろ!」

 ちゅっ……ちゅっと優しく唇で伝えるように口付ける。

「お前も俺のこと好きなんだから、素直になれよ」

「……別に」

 実花は横を向く。

「じゃ俺ともうセックスできなくなるぞ? 駅弁できるような男は、もういねーぞ!?」

「……それは……惜しいかも」

「お前みたいな、可愛い顔して自信ありまくりな女は初めてだったよ」

「それが歳の差だよ。1日が過ぎるだけでも私は何を得ようか考えて生きてるもん。そんな年上の私があんたに負けるわけがないよ」

 何を言っても素直にならない実花。
 新は降参というように、実花の胸元に顔を埋める。
 新のものが萎えていくのがわかる。

「ふっ……そうだな。じゃあ俺をコテンパンに負かしてよ。年上なりの振り方見せてみろ。セフレと別れる、カッコいい後腐れなしの振り方をさ……」

「……ないよ」

「え?」

「そんな振り方知らない」

「なに」

「私は……もうセックスは、好きな人としかしないもん」

 実花の目は潤みながら、新を見つめる。

「実花っっ!!」

 ぎゅーっと新が実花を抱きしめる。

「俺は実花が好きだ!! お前も好きって言えよっ!! 言ってくれよ!」

「好きだよ……新が好き」

 首に腕をまわして実花からキスをした。
 新はホッとしたように抱き締めて、実花の髪を撫でる。

「実花……実花好きだよ……」

「私を悲しませたから……懲らしめてやった」

「ごめん……先輩の紹介で、断れないままグイグイ来られちゃって……あの日も二人っきりじゃなくて飲み会の買い出しでさ」

「で結局、断ったの?」

「あの後、店で断ったら、めっちゃキレられてビンタされて終了」

「あはは、ざまみー」

 にっこり笑った実花に新はまた安堵して、また抱き締めた。

「……実花好きだ、もう絶対離さない」

「うん……本当は私も大好きだよ……」

 誓うようにキスをした。

「じゃあ仲直りのセックスするかぁ!」

「しよ!!」

「恋人としての初セックス!だな」

「激しくがいい~~~!」

「愛してる実花~~!!」

「私も! 愛してる! 抱いて!」

「最高可愛い!」

 抱き合いながら笑って、そしてまた2人の舌は絡み合い、激しく求め合っていく。
 感覚が、快感が愛情で更に高まっていくのを感じていく……。


 ~Fin~
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