【完結】やりたいこと、やりましょ!~肉食女子と肉食年下男子の恋愛事情~
少し経ってからの休日前日の夜。
新しい街でバーの開拓に出ようと、思い切りオシャレをして駅前に繰り出す実花。
1人でも気にせずバーに入り、カクテルを頼む。
イケメンのマスターと話は盛り上がり、隣の渋いお兄さんからも話しかけられた。
これは良い感じ! と実花は微笑む。
実花は『新ざまーみろ! あんたなんかお呼びじゃない!』と内心で笑ってやった。
でも、また思い出してる事実が胸に刺さってバーテンダーに強いのください! と注文する。
大丈夫~? と隣のお兄さんが気にしてくれた。
その時、電話がかかってくる。
スマホを見ると、新だった。
無視しようとしたが、かなり長い間鳴っている。
一度バーから出て、ビル内のトイレの前で電話に出た。
『あー実花?』
「なに?」
『なにって…』
「元セフレが何の用?」
『あー……じゃあセフレだから、セックスさせてくんない?』
「はぁ!?」
『最後にセックスしてお別れしよーぜ』
「なに言って……」
『俺の突き、最後に味わいたくないの?』
ぶっ!! と吹き出して笑い飛ばした。
「それは、あんたの方でしょ? 私のフェラと締まりが欲しいんでしょ?」
隣にいたお兄さんがトイレから出てきたところで、会話を聞かれてギョッとした顔をされてしまった。
『じゃあ、そういうことでいいからよ。今から行くから』
「私、飲みに出てるし」
『はぁ? どこだよ? 迎えに行く』
新の声が大きく強くなった。
「別に帰るなんて言ってないし」
『どこの店だよ、言え!』
「な……っ」
『言え』
新の迫力に押し切られ、ぶつぶつ文句を言いながらもビルの下で実花は新を待った。