【完結】やりたいこと、やりましょ!~肉食女子と肉食年下男子の恋愛事情~

肉食女子の恋愛事情


「おい、実花」

 飛ばしてきたのか、思った以上に早く来た新のデカイ車に乗り込んだ。
 新は実花の着飾った姿を見て驚き、ため息をつきながら車を発進させる。

「お前、まじで心配だわ」

「はぁ!? 誰が心配してって言ったのよ!?」

「あそこのマスター遊び人って噂あるぞ」

「別に、いいじゃない~! 遊び人! サイッコーだね!」

 わざとに笑いながら言う。

「そんなこと続けてていいのかよ?」

「何が?」 

「だから……けっ……けっ」

「け??」

「結婚願望とかないのかよ」

 言いにくそうに新が言った。

「……ない! ってか、そんなこと私に聞いてどうすんの? 未来ある年下の彼女ありの若者が私に説教すんのかよー!? ざ・ん・こ・く!! アハハ!! 自慢しに来たわけ!? 余計なお世話!!」

「説教なんてしてねーよ!!」

「怒鳴らないでよ!」

「怒鳴ってねぇ!」

 お互い怒鳴って、沈黙……。
 腹が立って、イライラして、なんだこの時間、と実花は思う。
 なんだか泣きそうになる。

「……昨日の、あの子は彼女じゃないから」

「いーから、そういうの。好きにすればいいじゃん」

 あぁ、イライラする。もうさっさと話を終えて、一人になって酒が飲みたい――と思う。

「じゃあ実花はどうなんだよ?」

「えっ?」

「俺はただの年下の馬鹿で、セックスができる男だから? それだけで、俺とずっと仲良くしてたんかよ!?」

「……そ、それは……」

「俺は……! ……実花のとこに行かなくなって……俺は……空っぽっつーか……寂しくなった」

 キュンとした。
 空っぽになった気がしたのは、自分もだったから。
 寂しかった……。

「あっは! じゃあなにかねーっ? あの可愛い清純彼女振って?? わたくしめのとこにでも来る気かね?」

 どう考えたって、向こうの方がビジュアルもいいしきっと若い。
 冗談ぽく笑ってやった。
 『まさか!』で早く終わらせてほしい。

「行く」

「……は?」

「俺、お前と付き合う。エロくて料理もうまくて、ゲームの趣味も合う。姐さん女房で最高じゃん」

「な、なに勝手に決めてんのよぉ」

 実花の家の近くのコインパーキングに着いた。

「お断り!! バカ!!」

 運転席から手を捕まれ抱き寄せられ、キスをされて舌で唇を舐められた。

「じゃ俺と今からやって決めろよ。そんなにセックスが好きなら誰が1番いいかやったらわかるだろ?」

「な、生意気」

「だから早く部屋行くぞ」

 無言で部屋に行く二人。

 部屋に入った途端に、新は実花を抱きしめる。
 そのままベッドへ直行。
 紐のTバッグのショーツをヒップを強く撫で揉みながら、スルリと解き落とした。

「んっ……激しいって……」

 耳も首元も、新の舌で食べられてしまうように舐められる。

「……俺以外の……もう挿れたの?」

 ドキっとする。

「ば! ばか! 何聞いてんのよ! あっ…あんたこそ! どうせあの子とやる事やってんでしょ!?」

 脱がされた実花はもう濡れていた。
 新の手に触れられたら、もう濡れる身体になっていた。

「だから、俺はやってないから!」

「んっ…どうだかっ!? すぐギンギンになるくせに」

 実花が悔しさで新のものに触れようとすると、優しく腕を掴まれた。

「今日は実花は何もしなくていいから」

「え……っ」

< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop