私の平穏な毎日

嫌な予感

今日は雷が学校に来ない日です。


そして私は人生最大の危機に直面しています。


なんでこんなことに…。


遡ること数分前私は学校に来て絶句しました。


「靴の中に砂が入ってる…。」


何かすごく嫌な予感がする。そう思って靴の写真を撮り、教室に向かいました。


廊下を歩いているとき、すごく痛い視線を感じました。


絶対何かある。
そう思い教室の扉を開けると…。


私と雷の写真が大きく拡大され黒板に貼られていました。黒板には他にも─ブスがライと話すな─とか─ブスのくせに─とかが書いてある。


そして私は今絶句しています。


やめて…。これが雷にバレたら彼は絶対怒る。そして私が女優をしていることも多分バレる。


私はとりあえず、写真を破いて、文字を消しました。


そうしている間に私は大勢の女子に囲まれた。


「あれ〜。ブス学校来たの?今日はライ学校休みだよ〜。」


…。


「あぁっ。なんか言えや。お前みたいなブスがライと話していいわけないでしょ。前々から思ってたけど距離が近すぎるんだよ。それに加えて外にも連れ回して。ふざけんじゃないよ。」
そう言い私に殴りかかろうとする。


やばいっ。殴られる。


反射的に目を反らしたとき…。


バシッ。
っと音がした。でも私はどこも痛くない。


恐る恐る顔を上げると…。


「雷…。」


そこには今日学校にいないはずの雷がいた。


「なんでライがいるの?」


「そんなことを言う前になんか言う事あるでしょ。お前ら胡桃に暴言吐きまくったよな。どういうことだ。」


私もなんでいるのか分からないけど、雷がヤンキー風になるのを久しぶり見た。


「ええ~っと。それは…」


やっぱりさっきまで私に突っかかってきた女子達もすごく怖がってる。


「さっさと言えや」


そんな中、女子で1番権力がある森下さんが口を開いた。


「工藤さんみたいなブスがライ君の隣にいるのはおかしいと思って工藤さんに注意してただけだよ。ライ君も工藤さんにべったりされて嫌だったでしょ。」


それを聞いた雷はスゴイ形相で彼女達を睨んだ。


「それお前ら本気で言ってんのか。胡桃はブスでも何でもないし、俺は胡桃が好きだから胡桃と話したっていいだろ。何が隣にいるのはおかしいだ。おかしいのはお前らだろ。しかもどっから目線だよ。胡桃は今、トップクラスの芸能人だぞ。」


あぁ~、やっぱり言っちゃった~。


「ライ君、何を言っているの?こんな地味な奴が芸能人なわけないじゃん。しかもトップクラスって…」


私はそこで口を開いた。


「雷の言っていることは間違ってないと思うよ。」
そう言ってカツラとメガネを取った。


その瞬間クラスにいた全員が言葉を失った。


「だって私は女優の胡桃だもん。」


そういうと、タイミング良くチャイムがなった。
< 8 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop