全部叶えてあげるから
「ねぇ、木下さん。」

「うわ!!」

「そんなびっくりしないでよ … 」

後ろを振り向くと、クラスメートの夏城神(なつきじん)くん。

「夏城くん … 、なに?」

「いや、廃校舎から出てきたのに、すっごい暗い顔してるから … 」

「良いでしょ別に。」

「和泉先輩の事、諦めたの?」

「な、なんで、!?」

「ちょー、わかりやすいよ?」

「良いの、!先輩が来てたから、諦めたの!」

「先輩を思って、?」

「うん。」

「でもさ、そんな事言いながら結局自分が1番なんじゃないの?」

「え、?」

「自分が、傷つきたくないから、」

「違うよ、違うよ、!」

「あっそ。」

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