Re:活 前略旦那様 私今から不倫します



 手と指で立て続けに達したあと、服を全て剥ぎとられた。羞恥心も罪悪感も燃え上がる燃料にしかならなかった。

「挿れるよ」
「あ……」
 
 執拗な愛撫で蕩かされた体に、辻村がのしかかり、侵入してくる。焦らすように入口を何度も往復すると彼の性器に沙羅の愛液が絡みついてテラテラと光っているのが見えた。

 ──熱い。

 互いの熱が交わり、一つになって蕩けそうだった。

「どこが悦いか教えて」
「や……あぁっ」
「教えてくれないなら、勝手に調べる」

 浅いところを行ったり来たりされると、もっと欲しくて無意識に腰を揺らしていた。そんな沙羅の様子を、辻村が楽しそうに見ている。

「抱きついて」

 乞われるがままに、広い背に手を回す。いけないことなのに間違いようのない幸福感に包まれる。汗ばんだ肌を重ね、唇を奪い合う。

 ──いつもの辻村さんと違う。

 あんなに普段紳士然としているというのに、今夜の辻村は沙羅の意思などまるで聞いてくれない。勝手に暴いて、好きなように荒らし、知らなくていい快楽を強引に体に刻んでいく。
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