Re:活 前略旦那様 私今から不倫します

7章

☆壊れていく夫 

 その夜は、誠からの着信を無視し続けて、我を忘れて辻村と愛を貪り合った。
 もうあの家には帰したくないという辻村と、彼の好意に甘えたい沙羅は離れがたく、一日中ベッドでまどろんでいた。
 相手にされたから自分もしていいとは思わない。
 いけないことだとわかってはいても、抗えない衝動に身を任せるしかなかった。

 ──誠もこういう気持ちだったのかな。

 どこか冷めた気持ちで夫の過去に想いを巡らせる。

 気まずい気持ちで夕方になって帰宅すると、誠がリビングで真っ白な顔で待っていた。
 
「どこへ行ってた?」
「母のところに」
< 170 / 234 >

この作品をシェア

pagetop