来世でまた会おう。
次の日のお昼、美希が声をかけてくれた「ねぇ綾ちゃん。この子達知ってる?」と言い、ポータブルDVDプレイヤーを私に見せた。そこに写っていたのは有名アイドルユニット、ゼリーゼリーの二人だ。
「この人達知ってるよ、有名だよね」私が言う。
「そうなの、有名なの。私も将来この二人みたいにキラキラしたアイドルになりたいの」目を輝かせながらそう言う美希に、私は、明確な夢があって羨ましいなと思った。
「ねぇ一緒練習しない?」美希が嬉しそうにそう言ってきた。
美希のその笑顔はとても眩しくキラキラしていた。とても断れる雰囲気ではなかったため、私は美希の提案を渋々承諾した。
この日からゼリーゼリーの歌やダンスの練習が始まった。
私は運動には自信がなくついて行くのに精一杯だったが、美希は素人の私が見ても歌やダンスがとっても上手だった。
こんな子が芸能人になるんだろうなぁと心の中でそう思った。
病院の先生には適度な運動は身体にいいということもあったのでリハビリ感覚でやっている。
私達が練習をし始めて一週間が過ぎた頃、看護婦さんに「レクレーションで踊ってみない?」そう言われた。
私は乗り気ではなかったが、飛んで喜んでる美希を見てしまっては断ることはできなかった。
この病院内では週に一度、レクリエーションの時間がある。その時間には紙芝居や劇など軽い出し物などを披露し、入院患者を楽しませたりマンネリ解消を狙って行われているようだ。
看護婦さんの推薦もあり、レクレーションの時間に私達はたまにダンスを披露する事になった。
意外にも私達の歌とダンスは好評だったのだ。
最初は人前でダンスなんて恥ずかしいよなんて思っていたが、美希と拓馬が褒めてくれたから頑張れた。
私はだんだんアイドルごっこをするのが楽しくなっていつていた。
淳が窓を見ながら同室の三人に言った。
「なぁみんな、今から病院を抜け出さないか?」その言葉を聞いた途端、同室のみんなは驚いた。
続けて淳は「いや、すごく遠くに行くって訳じゃないよ、ほら見ろここから見える大っきい木があるだろ。オレここに入院した時から一度は行ってみたいと思ってたんだよ」
淳の言う木とは、窓から見える丘に堂々と一本立っている木のことだ。確かに私も窓側のベットだから気にはなっていたが、まさか脱走して行こうとするとは。
「脱走、いいわね。面白そう」目を細めながら美希が言った。
「確かに面白そうだ。淳の意見に乗った」拓馬まで賛成をしてしまった。
「綾はどうする、待ってるか?」淳にそう聞かれたが、一人だけ置いてかれるのは嫌なので「わかったよ、私も行く」乗り気でないが行くことになった。
淳が考えた作戦は、入院患者がお昼ご飯を食べ終わった後、看護婦さん食べ終った順に体温を測りにくる、体温を測った後、看護婦さんは休憩にはいりナースステーションの人数が少なくなり、その隙にこの病院から抜け出すと言う作戦だった。
私達はその作戦を聞き、あらためて淳は天才だと思い、気づいたらみんなが淳に向かって拍手を送っていた。もちろん彼はまんざらでもない表情をしていた。
決行当日、私達はいつもより早くお昼ご飯を食べた。看護婦はご飯を食べ終えた順に体温計を測るからだ。病室から看護婦さんが出た後、私達は脱走のためのリュックを背負い病室から出た。
淳を先頭に拓馬、美希、私の順に縦に並びそーっと腰を落とし、人が少なくなったナースステーションを横切るとそこには下へと繋がる階段があった。
「よし、第一の関門突破したぞ」小声で拓馬が言った。そして私達は階段を降りて一階に降りた。
一階には病室の職員や警備員などが何人もいて見つからずに脱走するのはとても困難だ。
そこで用意するのは美希のDVDプレイヤーだ、DVDプレイヤーの音量を最大にし、一時停止で止めておく、そして私達は物陰に隠れ、出口の視線と逆方向に置いていたプレイヤー再生。
一階には爆音が流れ、それを聞いてびっくりする人や、慌てる人など軽いパニック状態。
「行くぞみんな」パニックに乗じて私達が走って病院の出口を向かうと、「はい見つけましたよ」 そこには寝癖頭の先生がいた。
「いやー淳くんの様子を見に行ったらみんな居なくてびっくりしちゃったよ」そう言うと寝癖頭の先生は淳を捕まえた。
その後すぐに私達は病室に連れ戻された。
「ちょっと、あんた達何やってんの!」私達は看護師長の桜さんにこっぴどく叱られた。
「あんた達のせいで私の評価が下がるじゃない、そうなるとボーナスが減らされて、、、あぁああ、、」桜さんは口は良くないがそこまで悪い人ではない。
同室のみんなが遊んでいる姿に私が一人寂しく見ていると、そっと近づき「遊びたいんなら自分から言わなきゃダメだよ。ほら、声かけてきなさい」と背中を軽く押してくれた。
私が同室のみんなと早く打ち解けれたのも、桜さんがいろいろ気を回してくれたからだ。
「ちょっとあんた達、今回はやり過ぎだよ。まぁ上から怒られるのは私だけなんだけどそれじゃあ面白くない。あんた達には一週間私から罰を与えます」桜さんはニヤつきながらそう言うと、私の机からは誕生日の日にもらった絵本を取った。
淳の机からは漫画、拓馬からは音楽プレイヤー、美希はDVDプレイヤーを取られ、「罰としてあんた達の大事なもん一間週間没収ね」そう言うと私達の荷物を持ち、桜さんは笑いながら病室を出て行った。
この日、私達の病室には娯楽がなくなった。
「この人達知ってるよ、有名だよね」私が言う。
「そうなの、有名なの。私も将来この二人みたいにキラキラしたアイドルになりたいの」目を輝かせながらそう言う美希に、私は、明確な夢があって羨ましいなと思った。
「ねぇ一緒練習しない?」美希が嬉しそうにそう言ってきた。
美希のその笑顔はとても眩しくキラキラしていた。とても断れる雰囲気ではなかったため、私は美希の提案を渋々承諾した。
この日からゼリーゼリーの歌やダンスの練習が始まった。
私は運動には自信がなくついて行くのに精一杯だったが、美希は素人の私が見ても歌やダンスがとっても上手だった。
こんな子が芸能人になるんだろうなぁと心の中でそう思った。
病院の先生には適度な運動は身体にいいということもあったのでリハビリ感覚でやっている。
私達が練習をし始めて一週間が過ぎた頃、看護婦さんに「レクレーションで踊ってみない?」そう言われた。
私は乗り気ではなかったが、飛んで喜んでる美希を見てしまっては断ることはできなかった。
この病院内では週に一度、レクリエーションの時間がある。その時間には紙芝居や劇など軽い出し物などを披露し、入院患者を楽しませたりマンネリ解消を狙って行われているようだ。
看護婦さんの推薦もあり、レクレーションの時間に私達はたまにダンスを披露する事になった。
意外にも私達の歌とダンスは好評だったのだ。
最初は人前でダンスなんて恥ずかしいよなんて思っていたが、美希と拓馬が褒めてくれたから頑張れた。
私はだんだんアイドルごっこをするのが楽しくなっていつていた。
淳が窓を見ながら同室の三人に言った。
「なぁみんな、今から病院を抜け出さないか?」その言葉を聞いた途端、同室のみんなは驚いた。
続けて淳は「いや、すごく遠くに行くって訳じゃないよ、ほら見ろここから見える大っきい木があるだろ。オレここに入院した時から一度は行ってみたいと思ってたんだよ」
淳の言う木とは、窓から見える丘に堂々と一本立っている木のことだ。確かに私も窓側のベットだから気にはなっていたが、まさか脱走して行こうとするとは。
「脱走、いいわね。面白そう」目を細めながら美希が言った。
「確かに面白そうだ。淳の意見に乗った」拓馬まで賛成をしてしまった。
「綾はどうする、待ってるか?」淳にそう聞かれたが、一人だけ置いてかれるのは嫌なので「わかったよ、私も行く」乗り気でないが行くことになった。
淳が考えた作戦は、入院患者がお昼ご飯を食べ終わった後、看護婦さん食べ終った順に体温を測りにくる、体温を測った後、看護婦さんは休憩にはいりナースステーションの人数が少なくなり、その隙にこの病院から抜け出すと言う作戦だった。
私達はその作戦を聞き、あらためて淳は天才だと思い、気づいたらみんなが淳に向かって拍手を送っていた。もちろん彼はまんざらでもない表情をしていた。
決行当日、私達はいつもより早くお昼ご飯を食べた。看護婦はご飯を食べ終えた順に体温計を測るからだ。病室から看護婦さんが出た後、私達は脱走のためのリュックを背負い病室から出た。
淳を先頭に拓馬、美希、私の順に縦に並びそーっと腰を落とし、人が少なくなったナースステーションを横切るとそこには下へと繋がる階段があった。
「よし、第一の関門突破したぞ」小声で拓馬が言った。そして私達は階段を降りて一階に降りた。
一階には病室の職員や警備員などが何人もいて見つからずに脱走するのはとても困難だ。
そこで用意するのは美希のDVDプレイヤーだ、DVDプレイヤーの音量を最大にし、一時停止で止めておく、そして私達は物陰に隠れ、出口の視線と逆方向に置いていたプレイヤー再生。
一階には爆音が流れ、それを聞いてびっくりする人や、慌てる人など軽いパニック状態。
「行くぞみんな」パニックに乗じて私達が走って病院の出口を向かうと、「はい見つけましたよ」 そこには寝癖頭の先生がいた。
「いやー淳くんの様子を見に行ったらみんな居なくてびっくりしちゃったよ」そう言うと寝癖頭の先生は淳を捕まえた。
その後すぐに私達は病室に連れ戻された。
「ちょっと、あんた達何やってんの!」私達は看護師長の桜さんにこっぴどく叱られた。
「あんた達のせいで私の評価が下がるじゃない、そうなるとボーナスが減らされて、、、あぁああ、、」桜さんは口は良くないがそこまで悪い人ではない。
同室のみんなが遊んでいる姿に私が一人寂しく見ていると、そっと近づき「遊びたいんなら自分から言わなきゃダメだよ。ほら、声かけてきなさい」と背中を軽く押してくれた。
私が同室のみんなと早く打ち解けれたのも、桜さんがいろいろ気を回してくれたからだ。
「ちょっとあんた達、今回はやり過ぎだよ。まぁ上から怒られるのは私だけなんだけどそれじゃあ面白くない。あんた達には一週間私から罰を与えます」桜さんはニヤつきながらそう言うと、私の机からは誕生日の日にもらった絵本を取った。
淳の机からは漫画、拓馬からは音楽プレイヤー、美希はDVDプレイヤーを取られ、「罰としてあんた達の大事なもん一間週間没収ね」そう言うと私達の荷物を持ち、桜さんは笑いながら病室を出て行った。
この日、私達の病室には娯楽がなくなった。