衝撃サイダーマン
星夜は、出発間近の飛行機の搭乗手続きをしてゲートまで走った。

何とか間に合って乗り込み、ビジネスクラスのシートに案内され座った。

"ハァ〜間に合ったけど…サンフランシスコ行き…目的地のロサンゼルスには夕方到着かぁ〜"

星夜はCAさんにサイダーを持ってきてもらい、ホッとしたところで北斗への書類の不足分のデーターを送信した。

窓からの景色は既に夜空になっていて星が近くに感じた。
星夜は、窓のシェードを下げた。

"檸檬を連れ去った婆ちゃんの作戦…
今までの人生でこんなに焦った事ないよなぁ…
でも…婆ちゃんが仕掛けなかったら檸檬との結婚を決心出来なかったかもしれない……

オレの中で親友の妹の檸檬、小さな頃から知ってる女の子を好きになるなんて…
しかも本人はオレやウチの家族の事なんて覚えて無かったし……
少し罪悪感があったのは事実。
だから、配送センターに配属された檸檬に変に気を使わせるんじゃあないかと自分の正体を明かせなかった。

結局…オレの方が檸檬を意識していたのかもしれない…
でも檸檬を一生守って生きていく決意ができた。"

そんな事をいろいろと考えていたら、いつの間にか寝ていたが、機内食が配られている周りのカチャカチャという音で目覚めた星夜は、機内食をしっかり食べ、ボストンバッグから2人の結婚指輪が入っているケースを開けて眺めていた。
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