衝撃サイダーマン
星夜さんの部屋をぐるりと見回していた檸檬。
「オレの部屋は殺風景だろ?」
「そうですか?バスケットボールがあったりして星夜さんの学生時代が垣間見れた気がしますよ」
「そうか。あのさ〜檸檬。お前はオレの事どう思ってる?」
「え、星夜さんの事ですか?……」
「うん。擬装婚約者になってるオレの事」
「……星夜さんには本当にお世話になりっぱなしで…
それに会社ではあまり話さなかったでしょう?
だから、私も星夜さんの事は全然気にして無かったんです。
まさか、畑山さんのストーカーを阻止するのに星夜さんの計画の変装も急遽やめてもらったり…
私は…毎日星夜さんの魔法の言葉で変われそうな気がしてきてます。
星夜さんはとにかく優しい人だと思ってます。」
「じゃあ、好き?嫌い?」
「え!……」と真っ赤な顔で俯いてしまった檸檬。
「檸檬。オレさ、檸檬が婆ちゃんたちに拉致されて焦ったんだ。
もし婆ちゃんがオレ以外の男を檸檬に紹介とかしたらどうしようって……
特にトムは昔からオレの大切な物を横取りされてきたんだけど、トムに檸檬を取られたくないと心の底から思ったんだ。
檸檬。オレは一生お前といたいと思ったから慌てて追いかけて来たんだ!」
「あの〜それって… 星夜さんが私の本物の婚約者になるってこと?……」
「そうだ。檸檬。婚約指輪を一旦外してパーティーが始まるまでオレに預けてくれる?」
と言って、星夜は檸檬の指輪を抜いてポケットに入れた。