衝撃サイダーマン

三矢なの?青山なの?

この駅は…昔からの高級住宅街がある駅。

こんな高級住宅街で降りるなんて一体【サイダーマン】は何者なの?

「三谷さん、悪いけど駅から10分位歩くんだ」

「はい。」と返事をし2人で並んで歩く。
さっきとは違い、私の歩くペースに合わせてくれている【サイダーマン】。いつも無口な人だと思っていたけど話しはしてくれる…けど丁寧な会社モードの時とオレ様的な言い方の時もあるし不思議な人だよなぁ〜とチラッと【サイダーマン】を見上げたら目が合った。

「何? いろいろと考えてるのか?」

「え?まぁ、はい……」

「さっき会社から駅までの間、見合い相手がウロチョロしてなかったか?」

「あ、はい。いませんでした。」

「じゃあ、車で君のマンションを通って様子を見てからご実家へ向かおう」

「わざわざ私のマンションへ行くんですか?」

「ああ、そいつは君が駅から徒歩だと思ってるだろうから車だと気づかれないと思う。
もし、今日もマンション前に待ち伏せしていたらすぐにでも引越しだ。」

「引越し…って、会社休んでですか?」

「う〜ん……課長があーだこーだとうるさいから君のお母さんに頼んで、お任せパックにしなきゃだな。
荷物は実家へ運んだ方がいい」

「実家へですかぁ〜」

「ああ、あさってから空いてる部屋もあるからオレのマンションで住めばいいし。」

「は? 補佐のマンションですか?」

「そうだ。オレのマンションへ来い。そいつを諦めさせる為に同棲をし始めたカモフラージュってとこだ。」

「カモフラージュ……」
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