衝撃サイダーマン
「ちょっと、星夜。今回はどういう事なの?檸檬ちゃんのご実家へ説明に行くのよね? 会社で何かあったの?」
補佐は私の方を見て
「コレは三谷さんの個人的な事なんだ」
「あ、あの…奥様。実はお見合いしたお相手の方がお断りしたにも関わらず、電話してきたり、マンション前で待ち伏せしたりされて…
たまたま休憩室で話しをしていたら上司に聞かれてしまってですね…
補佐が擬装の恋人役?になっていただく事になった説明をウチの両親に説明して下さるんです。」
「恋人役を星夜が?! 星夜良かったわね!おめでとう。」
「………」
「あの〜奥様、おめでとうっていうかですね無理矢理押しつけられた補佐には本当に申し訳ないです。
本当にすみません。」
「大丈夫よ! パパにも報告しなきゃ!」
「親父になんか言わなくていいから!三谷さん、そろそろ行こうか」
「あ、ハイ。奥様お茶ご馳走さまでした。」
「いえいえ。檸檬ちゃんこんな不器用な星夜を宜しくお願いしますね。」
「あ、はい……補佐には迷惑をおかけして申し訳ないのですが、ストーカーになりそうなお見合い相手
には諦めてもらうよう頑張ります!」
「本当に物騒な世の中だから檸檬ちゃんも気をつけね。来週予約しているからまた〈フォーシーズン〉に伺うわね。
星夜、檸檬ちゃんを乗せて行くんだからくれぐれも安全運転でお願いね。」
「ああ。じゃあ」
「お邪魔しました。」と檸檬は礼儀正しくお辞儀をして青山家を出て、星夜の車へ乗り込んだ。