衝撃サイダーマン
青山家のパパさん、ママさんは集中治療室の前にある待合室に2人で並んで座っていた。

「パパ。星夜は足の事…乗り越えられるよね？」

「ああ。家族皆んなで支えていこうと思うし、星夜なら大丈夫だ！
アイツはピンチをチャンスにするヤツだ」

「うん…」とママさんはハンカチで目頭を抑えていた。

「また、星夜を見に行こう」とママさんを抱えるように集中治療室が見える部屋へ入って行った。

星夜の顔や頭は包帯で覆われている。
星夜の右足は膝から下を切断しなければならず、
パパさんは泣きながら手術の同意書にサインした。

星夜はかなり重症で全身打撲。内臓の一部が破裂し、右足は…かなりの損傷だった。
亡くなられた方には申し訳ないが、星夜も檸檬ちゃんも生きていてくれただけでもありがたかった…
そして星夜たちが乗ったタクシードライバーさんは亡くなられた……

本人の意識がそろそろ戻る頃だと医師から聞いたが、まだ目を覚さない星夜。

"神様、どうか星夜をお助け下さい…"とパパさんは心の中で祈っていた。

2人でまた待合室に戻ると、檸檬ちゃんのお父さんが檸檬ちゃんの意識が戻ったと教えてくれた。
ママは泣いて「良かった、本当に良かった」とまた泣いていた。

「星夜くんは…」

「まだ、意識が戻ってなくて…」

「そうですか…」とお父さんも涙ぐんでいる。
パパさんはグッと涙を堪えていたが、一筋の涙が頬をつたって床に落ちた。
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