衝撃サイダーマン
配送センターの近くのコインパーキングに車を停めて、2人で配送センターへ向かう途中。
何人もの社員が、私と変身した【サイダーマン】を覗き込みながら追い越して行った。

倉庫の独身男性社員たちは、ヒソヒソと話しながら倉庫へ向かい、配送センターの入口で後ろから私の肩を叩き、
「檸檬ちゃん!昨日は大丈夫だった?アレ?こちらの方は……え!もしかして【サイダーマン】?あ!係長補佐?……なの?」と中村さんと小林さんはビックリして口をポカ〜んと開けて補佐を見ていた。

「はい。中村さんと小林さんの言いつけ通り、三谷さんのお兄さんにパーマとカットしていただきました。スーツも昔のを着てきましたが、どうでしょうか?」

「三矢君!カッコいい! 実はめっちゃいい男だったのね〜!こんなモデルみたいになった三矢君ならストーカーくんも退散するわ! 
キャァ〜!みんなが見たら腰抜かすかもよ〜」と中村さんと小林は大はしゃぎだった。

檸檬はやっぱりいくら何でも楓兄ちゃんのシナリオは無理があるのではないかと不安になってきた。
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