衝撃サイダーマン

その間、副社長と秘書はトラックに近づいて運転手から伝票を受け取っていた。
フォークリフトを操作していた社員は副社長と秘書が伝票を受け取ったのを見てフォークリフトのエンジンを止めた。

「副社長、お疲れ様です!」と平然と振る舞う社員。

「あ、君は竹本さん?」

「ハイ。竹本です。コレは俺が営業してきた発注分なんですよ」

「凄いね君!倉庫の社員なのにこんな大口の発注なんて! いや〜凄いわ〜
この商品は九州のディスカウントスマイルさんのだよね?」

「ハイ。そうです!!」と褒められていると思い笑顔の竹本。

「君さ〜、よくもウチの会社の商品を横流ししてくれたね! この手書きの伝票は証拠として没収します。 アレ見える?」
警察車両を指差した副社長。

竹本が走って逃げた! 秘書と警察官が追いかけて手錠をかけられた。

その様子を見ていた倉庫事務所の面々……

「え〜竹本さんが手錠かけられたわ!」っと事務員の1人が大声で叫んだ。

総務部長も田中リーダーも顔面蒼白になった。
小さな声で総務部長が社長に
「社長…これは…」

「ああ、君が考えてる通り、横領だ」

事務員2人も「横領……」と力なく椅子に座る。

「田中リーダー、君は竹本君の事知ってたの?」

「は…い…」

「田中リーダー…」と総務部長は悲しい顔つきでリーダーを見た。

「じゃあ、リーダーも警察へ行ってもらう」と社長が厳しい口調でリーダーに告げた。
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