届かない想い
「んー、いや通話してたら朝」

「ばっっかだぁ!」




四宮が大袈裟にけらけらと腹を抱えて笑う。


ふらふらと足取りが落ち着かなくて危なっかしい。




「そういうしのこそ、夜更かししただろ」

「ありゃばれる?そうなんだよ、夜な夜な対戦ゲームしてた」




「授業中、寝んなよ」

「そっちこそ」


言い合いしながら、並んで通学路を歩く。

そんな二人の間に、だれかが飛び込んできた。



「よぅ、夜更かしブラザーズ」



「誰がブラザーズだ?」

「おはよう、伊和」


キリッとした目付きに高いポニーテール。


きつそうな見た目に反して、ちまっとした身長。



飴をなめながら四宮の腕に巻き付く伊和。



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