届かない想い
「?ふる?どした不機嫌?」

「んーん、なんでもない」


「相変わらず短気なんだから気を付けな?
ほら、あの人ビビっちゃってるじゃん」


あごでくい、と指されたほうを見ると、ダル絡みしてきたクラスメイトが沈んでいる。



キレたつもりはなかったんたが…



「ふるは気を付けな?ほら、君は優しいんだから」



四宮は、クールな見た目と、スラックスを履いた男っぽい見た目で「怖そう」という偏見を持たれることが多々ある。


本人はもう気にしていないそうだが、それでもたまに悲しそうに見えることがある。


「大丈夫!しのも、古瀬もあたしが魅力わかってるから!!!」





「うれしーね、わたしもイワの好きなこと言えるよ?」

「お、やるか?やんのか?」


「ふはっ、喧嘩腰すぎんだろ」



軽くジャブを飛ばすイワに思わず吹き出す。


この、二人の距離感と空気がらくだ。



気を遣わなくて済むし、なにも考えず言葉を発することができる。





「ふるちゃん、おはよ」

「アヤおはよう」


後ろから肩を叩かれる。


振り向くと、眠そうにあくびをする男がたっていた。




「綾瀬~!おまえ今日も遅刻ぎりぎりかよ!」


「…今日は間に合ったからいいでしょ~」

「ど?いい夢見れた?」




「うん、彼氏ができる夢」





四宮と、伊和、綾瀬、


この3人といるのが俺は好きだ。
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