届かない想い
俺が四宮を好きになったのは、中学の頃。


まだ、そんなに親しくはなかった。


思春期真っ只中の男女は、今よりも他人の色恋に敏感で、
一言交わしただけでも口笛を吹いたり、からかったりして
くるような、めんどくさいやつらがいた。



ショートカットに、スラックス、口数が多いほうではなかったらしい四宮は、

女子から“イケメン”と騒がれていた。


男子よりもちやほやされる四宮は、男子から影で疎まれていた。



そんな四宮にたいして俺は、

なにも知らずただ“モテるのだな”くらいにしか思っていなかった。




事件が起きたのは、中2の秋頃だったと思う。



俺が登校してきたとき、まだ四宮は登校してきていなかった。




クラスのやつらが四宮のことを噂している。



なにがあったのかきになり、近くのやつに聞こうとしたとき、


静かに扉が開いて四宮が入ってきた。




< 7 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop