恋と、涙と、先輩と
「…わかってる」


…わかってるから、また傷をえぐるようなことしないで。


「みくりになにか渡されるたび、『やっぱり付き合ってんの?』とか聞かれて迷惑なんだよね。だから、これ以上オレにつきまとうのはやめて」


鋭い視線、冷たい言葉。

これまでのわたしに対するあっくんからは想像できなくて…。


わたしは愕然としてしまった。


幼なじみに告白して失敗した代償は、あまりにも大きすぎた。


その場面を朝の行き交う他の生徒たちが見ていたせいで、同級生の間でわたしに変な噂が立ち始める。


「知ってる?藍原さんって、平野くんのストーカーらしいよ」

「…えっ!?幼なじみなんじゃないの?」

「この前、『もうつきまとわないで』って平野くんが言ってるの聞いたもん」

「あっ!それ、あたしも聞いた〜!」
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