恋と、涙と、先輩と
それに、木陰に座っていたらそこまで暑くもない。


「…あれ?藍原?」


そんな声が聞こえて目を向けると、1階の渡り廊下からだれかがわたしに手を振っている。

羽賀先輩だ。


「どうした?こんなところで」

「…あ、えっと…!教室、クーラーがききすぎてて寒いので…。たまには外で食べようかなって思って…」


とっさに嘘をついた。


「そっか。それじゃあ俺もここで食べようかな。隣、いい?」

「は…はい…!」


羽賀先輩は購買にパンを買いにいった帰りのようで、わたしの隣に座った。


「教室にいるの…気まずい?」


羽賀先輩は、ジャムパンをかじりながらわたしに尋ねた。


「…え…?」

「サッカー部の後輩が話してるの聞こえちゃってさ。…藍原が敦に告白したって」


わたしの胸がズキッと痛む。
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