恋と、涙と、先輩と
「よう、2人とも。おはよう」


そんな声が聞こえて顔を上げると、背の高いあっくんよりもさらに頭半分ほど背の高い羽賀(はが)先輩がいた。


「羽賀先輩!」

「おはようございます!」


羽賀先輩は、あっくんの所属するサッカー部の先輩。

2人はとても仲がよくて、あっくんを通じてわたしも自然と親しくなった。


黒髪短髪のイケメンで、『爽やか』という言葉をかたちにしたような人だ。


羽賀先輩は、サッカー部のキャプテン。

サッカーはうまいし、勉強はできる。


言うまでもなく、学校ではモテモテ。


当然彼女がいそうなところだけど、今はいないんだそう。

いろんな人から告白されているのに、『好きな人がいるから』と言って断っているというのは有名な話。


その好きな人がだれなのかはわからないけど、そういう一途なところも羽賀先輩がモテる理由だ。
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