恋と、涙と、先輩と
あっくんもわたしも『羽賀先輩に誘われたから仕方なく』というニュアンスを出す。

たけどわたしは、3人だったとしてもあっくんといっしょに行けることに内心すごく喜んでいた。


そのすぐあとあっくんと別れ、わたしが1人で帰っているとスマホが鳴った。

見ると、さっき別れたばかりの羽賀先輩から電話。


〈もしもし?〉

〈あ、藍原?さっきの半ば強引で驚いただろ?〉


『さっきの』とは、夏祭りの話のことだ。


〈まさか、あんなかたちで先輩が誘ってくれるとは思わなかったですけど、わたしじゃあっくんを誘えなかったと思うので…助かりました〉

〈それならよかった。ちなみに俺は、その日ドタキャンするから〉

〈えっ!?〉

〈せっかく2人になるチャンスなのに、俺がいたら意味ないだろ?俺は直前で風邪引いたってことでよろしく〉
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