恋と、涙と、先輩と
〈でも…先輩がいないと、わたし――〉

〈脇役の俺の役目はここまで。あとは2人で楽しんで〉


失恋してからのわたしの中心部分には、いつも羽賀先輩がいてくれた。

先輩のこと、脇役だなんて思ったことないのに。


それ以降、夏祭りに向けて羽賀先輩は相談に乗ってくれた。


あっくんはどんな色の浴衣が好きそうとか、どんな髪型をしたらいいとか。

浴衣に合う髪型のヘアアレンジは難しかったけど、何度も練習してかわいく編み込みのアップができるようになった。


浴衣姿のわたしを見て、少しはかわいいって思ってくれるかな。


わたしは、夏祭りの日を楽しみにしていた。
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