恋と、涙と、先輩と
2人で夏祭り
とうとう待ちに待った夏祭り当日。

わたしは張り切って準備をした。


お母さんにお願いして新しく買ってもらった水色の浴衣。

気づけば30分かけて整えたヘアセット。


小学3年生のとき以来のあっくんとの夏祭りに、気合が入らないわけがない。


あっくんと羽賀先輩とは近くの公園で待ち合わせ予定。

でも、羽賀先輩がくることはない。


あっくんと合流して、なかなかこない羽賀先輩にあっくんが電話するというところまでが先輩との計画。

そこで先輩は、風邪を引いてしまってやっぱり行けなくなったということをあっくんに伝え、わたしたちを2人きりで夏祭りに向かわせようとしてくれている。


集合時間よりも20分も早く着いてしまった。

座っているベンチから、浴衣姿の人たちが歩いていくのが見える。


小さな子どもを連れた家族。
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