恋と、涙と、先輩と
そこには、まだサッカー部のマネージャーの人たちがかき氷を選んでいる。


これで気づかれないわけがなかった。


「あっ!敦じゃん」


3人できていた3年生のマネージャーの先輩たちが振り返る。

その中で1人、まるでモデルかのように細くて背が高い顔の整った先輩がいる。


竹内未来(たけうちみらい)先輩だ。


学校一のモテ男子が羽賀先輩だとしたら、学校一のモテ女子は竹内先輩。

とくに、2年生、1年生の年下の男の子からの憧れがすごい。


それに生徒会長もしていて、おそらく校内で竹内先輩を知らない人はいない。


「竹内先輩もきてたんですね」

「うん、そうだけど」


端から見れば、お祭りで偶然会った先輩と後輩の会話。

でもなせが、わたしには棒読みのように聞こえた。


「ほんと、先輩たちっていつもいっしょっすよね。オレは、仲のいい幼なじみときてて」
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